TAC中小企業診断士講座ブログ

中小企業診断士は経営コンサルタントの国家資格です。資格取得により企業経営に関する体系的な知識が身に付きます。当ブログでは、中小企業診断士試験の最新情報や、中小企業診断士の活躍、TAC講座・出版情報等をお伝えします。

現場

【診】コンサルティングの現場から 第101回 ビジョンが示すベクトル、ビジョンが惹きつける引力(5)

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ビジョンが示すベクトル、ビジョンが惹きつける引力(5)

ビジョンが社員を惹きつける

TAC中小企業診断士ブログ_ビジョン

S社が成長できた理由はいくつかあるだろう。

M社長の料理経験や豊富なアイデア、ローコスト戦略、価格戦略…。

これらの要素のいずれかが欠けてもS社は
成長することはできなかっただろう。

しかし、S社の成長に重要な貢献をしたものは
社員を惹きつけるM社長のビジョンだった。

M社長は3年で50店舗出店(!)と株式上場(!!)を
ビジョンとして掲げており、このビジョンを
コミュニケーションを通して社員と共有し
社員にストックオプションと各店舗の譲渡を約束している。

将来を向いたS社の成功と、社員のキャリア期待がフィットしたとき
社員は自身の問題としてS社経営を考えるようになる。

M氏には、社員とのコミュニケーションを欠かさないこと
とにかく社員の意見に耳を傾けることを助言しているが
M社長はこれをよく聞き入れ、社員とのコミュニケーションに
十分な時間を確保することを今でも最優先している。

今後に向けてS社は、調理工場の確保と
配送体制の整備を検討している。

さらに、M社長のもつ人脈を通じて
海外から破格ワインの輸入経路を確保している。

収穫逓増の多店舗モデルを構築し、これを実行すべく
ひとつひとつ課題に取り組んでいる。

私はS社の成功を確信している。

そしてなによりも、私の助言を信頼し
戦略に取り入れてくれるM社長に心から感謝している。

M社長は将来、母国バングラディッシュの銀行を買収し
国のインフラ構築に貢献したいと語ってくれた。

非常にスケールの大きな話しだが
M社長はこれを実現すると私は思っている。

そして、その夢の実現に参加できることに感謝する。

これこそ、診断士の醍醐味だ。

今シリーズおわり

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【診】コンサルティングの現場から 第100回 ビジョンが示すベクトル、ビジョンが惹きつける引力(4)

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ビジョンが示すベクトル、ビジョンが惹きつける引力(4)

経営危機からの復活

TAC中小企業診断士ブログ_ビジョン

新たに2店舗を出店し、このまま順調に成長していくかに
思えたS社だったが、同年8月に経営危機が襲った。

リーマンショックの影響か、S社の本店と高田馬場店の
売上が7月から激減し、ピーク時の1/3にまで落ち込んだ。

S社資金繰りは切迫し、浜松町店の売上がなければ
倒産を免れないほど追い込まれた。

私は社長と何度も打ち合わせをし
この経営危機を乗り切るための戦略を策定し
すぐに実行した。

それはメニューの刷新と価格改定だ。

すべての商品を原価に応じて300円、600円、900円と
価格をシンプルにして割安さとわかりやすさを訴求した。

これが受けて、本店・高田馬場店の売上は急激に回復した。

この手法を浜松町店にも取り入れたところ
順番待ちができるくらいに繁盛した。

さらに今年に入りS社が「不況に強い店」として
全国ネットのTVで取り上げられると、売上は更に伸びた。

経営危機からわずか半年で、S社は見事に復活を遂げた。

つづく



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【診】コンサルティングの現場から 第99回 ビジョンが示すベクトル、ビジョンが惹きつける引力(3)

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ビジョンが示すベクトル、ビジョンが惹きつける引力(3)

ローコストの出店戦略

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M社長就任後2年が経ち、H20年3月決算で売上高は
46百万と4倍まで伸びた。

M社長は同様のコンセプトでの多店舗化を考え
出店候補地を探し始めた。

出店に当たり私はM社長と3つの条件について
コミットメントを取った。

(1)坪単価を二万円以下に抑えること。

(2)イニシャルコスト(保証金等も含む)は5百万円までに抑えること。

(3)借入は2年で返済することだ。

飲食店が失敗することの原因の1つに過大な設備投資がある。

多くのオーナーにとって自分の店を持つことは夢であり
店舗には自分の子供のような思い入れを持つものだ。

大手飲食店と異なり、中小飲食店のオーナーは
自身の思い入れが強すぎて採算を軽視してしまう傾向がある。

過大な設備投資の返済負担が経営を圧迫して
廃業する飲食店は少なくない。

また、借入についても、返済期間をできるだけ
長めに設定したがる社長が多い。

期間を長くすることで毎月の返済を少なくすることができるが
完済までに新たな借入を行うことが多く
結果的に毎月の割賦金が増加して資金繰りを圧迫することになる。

目先の利益にこだわることで長期的な資金繰りに
支障をきたす企業は少なくない。

私はこのような企業を「大車輪の自転車操業」と呼んでいる。

社長は私の助言に賛同し、ローコスト出店戦略を実行した。

不動産業者を介さずに独自の情報網を活用して
閉店予定の店舗情報を仕入れて検討した。

そして同年12月、T駅近くに居抜きで入店できる店舗を見つけた。

店舗は改装して1年も経ってなく
改装資金に数千万円はかかっている。

この店舗をイニシャルコスト300万円で手に入れることに成功した。

借入の返済期間は2年だ。

新店舗は順調に売上を伸ばした。

さらに翌21年6月にはH駅近くに3号店を出店した。

こちらも出店時にかかった費用は3百万円未満だ。

H店は立地環境にも恵まれて、T店以上に売上に貢献した。

つづく



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コストリーダーシップ×差別化戦略

TAC中小企業診断士ブログ_ビジョン

私と前社長とは知り合いの社労士の紹介で付き合いがあり
その関係でM氏からコンサルティングの依頼を受けた。

事業継承当時のS社は家賃や給料、仕入代金などの
未払金が300万円以上あり、M社長は私財を投入して支払った。

早急の売上改善が必要だったが、資金は残り
100万円程度しかなく、大がかりな改装はできなかった。

看板だけ業者に頼み、内装は工具を借りてM氏以下社員で自ら改装した。

店舗名を改め、フレンチレストランのメニューを取り入れた
カジュアルな居酒屋としてオープンした。

店舗周辺はオフィス街で、サラリーマンやOLなどが多い。

店舗のコンセプトを「会社帰りにカジュアルフレンチが
楽しめる居酒屋」として、特に女性をターゲットにした
差別化戦略を実行した。

カジュアルとはいえメニューは本格的で
ショートパスタのグラナ・パダーノ、オマール海老のロースト
若鶏のコンフィー、ハモン・セラーノなど
居酒屋にはないメニューを揃えた。

珍しさを訴求するため、メニューのバリエーションは
多くしすぎないようにしてターゲットに
効果的にアプローチすることを狙った。

フレンチのメニューを通常のレストランの価格の半額以下に設定した。

このコンセプトはターゲットにフィットした。

開店早々から女性客が来店し、安さと味が評判になった。

着実にリピーターも増えて、S社は順調の売上は順調に増加した。

M社長は直接生産者と交渉して契約したため
仕入原価を低く抑えることができた。

このため、低価格であっても同業他社よりも高い利益率を確保できた。

つづく



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債務超過

TAC中小企業診断士ブログ_ビジョン

S社は都内で居酒屋を経営する飲食業で
平成9年に前経営者が創業した。

港区赤坂の地下鉄駅前徒歩1分の好立地に店舗を構える。

S社は創業以来9年連続で営業赤字を計上していた。

平成17年5月に前社長が思い切って実行した
業態転換が裏目に出て、売上が転換前の1/4にまで激減し
倒産寸前まで追い込まれた。

家賃すら支払えなくなった前社長は
当時S社の厨房の手伝いに来ていた
現社長のM氏に助けを求めた。

平成18年3月期の決算は年商12百万、13百万円の営業赤字
15百万の債務超過にまで落ち込んだ。

M氏はバングラディッシュ出身で
10代後半に母国を離れて日本に来て
フレンチレストランなど様々な飲食店の厨房で勤務し
20年以上のキャリアを持つ。

前社長とは日本に来てからの友人だ。

困っている前社長の頼みを無視するわけにもいかず
平成18年2月、M氏は前社長の求めに応じ
経営権委譲とともにS社を引き継いだ。

最悪のスタートだった。

つづく



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