こんにちは!
TAC中小企業診断士講座のMOPです。


「コンサルティングの現場から」
現役中小企業診断士のコンサルティング事例を
紹介するコーナーです。

中小企業診断士E先生の“コンサルティングの現場”を
シリーズで連載しています!

  前回のお話はこちら



コンサルティングの現場から 第19回 
中小企業の「健康管理」(6)


計画は慎重に、実行は一気呵成に

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 「先生も手伝ってくれますか?」

F社長は決断した。

提案者としての責任を果たすため
また社長の勇気に応えるためにも
私は全力でこの改革に取り組む決意をした。

X社との交渉については、具体的な条件内容の設定を支援した。

また賃金体系の改定案を作成し
労働条件の一方的な不利益変更にならぬように
経過措置を設けてこれに配慮をした。

さらに今回の改革を盛り込んだ借入金の返済計画を作成し
これをメインバンクを始めとする3行に持ち込み、直接交渉した。

非常に難航したが、何とかメインバンクの承諾を得て
これを実行することができた。
 
数度の打ち合わせを経て、改革は速やかに実行された。

X社との交渉は成功し取引条件は見直しされたが
今後のことも考慮してX社との取引は縮小していくことになった。

また賃金体系も大きな問題もなく一本化された。

1年後、何人かの古参従業員は退職したが
結果的にX社との取引縮小分とバランスが取れた。

借入金についても、年間可能返済額の範囲内で収まるようになり
不必要な資金調達の必要性がなくなった。

その後、メインバンクは新規融資の話を持ってきたが
私を通じて丁重にお断りしている。
 
結果、リスクの高い売上債権はなくなり、人件費支出も安定した。

収益体質へと改善された結果、金融機関の評価もあがった。

今、F社に流れている資金(血液)は動脈血となったと言えるだろう。

つづく



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