こんにちは!
TAC中小企業診断士講座です。


「コンサルティングの現場から」
現役中小企業診断士のコンサルティング事例を
紹介するコーナーです。

今回より中小企業診断士S先生の
“コンサルティングの現場”をシリーズで連載します!

  前回のお話はこちら



コンサルティングの現場から 第8回 
「雨降って地固める」コンサルの醍醐味は奥が深い(1)


魅力溢れる現場(1)

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S(筆者:現在はコンサルタント)と
W社長の出会いは15年以上前のことになる。

中小燃料卸商の情報処理部門で
小売業向け消費者管理システムの開発を担当していたSに
得意先のW社からシステム開発支援の要請が入った。

「おーい。S君、いるかぁ?」

卸営業の長であるTがコンピュータ室のドアを乱暴に開け、怒鳴った。

「W社の社長が、今使っているシステム屋と喧嘩しちゃってさ。
 取引停止にするんだとよ。
 お前、小売店の消費者管理プログラムを何社も組んでいるよな?
 W社のプログラム組めるか?」

家庭用燃料小売業が業務効率化の観点から自社でコンピュータを導入し
独自の顧客管理システムを運営しはじめた時代である。

燃料元売メーカーやソフトハウス、コンピュータ・メーカーなどが
家庭用燃料小売業向けシステムの開発を競っていた。

燃料卸商としても小売店との密着度を高めるため
販売促進協力や業務支援の一環として
システム開発・運用を小売店政策としていた。

家庭用燃料小売業は、炭・薪などを取り扱っていた
酒屋・米屋が取扱商品の様変わりで商売を続けている。

ほとんどが中小商店の生業であり
戦略的な経営とは縁が薄い。

「いいですよ。やります」

取引先小売店10社以上のシステムを独力で開発
運用指導まで支援して来たSには自信があった。

W社は数ある小売店の中でも大手に分類される。

「この小売店を担当しておけば
 今後のシステム部門の活動に有利である」

とSは考えた。

当時中小企業で使われていた小型コンピュータ(オフコン)は
10メガ程度のディスクとキーボード
小さな操作卓画面、8インチのフロッピーディスク装置
連続帳票プリンタが一体になっていた。

社内でコンピュータ操作を担当する
従業員は事務部門のかなめ的な存在であった。

つづく



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