こんにちは!
TAC中小企業診断士講座です。


「コンサルティングの現場から」
現役中小企業診断士のコンサルティング事例を
紹介するコーナーです。

今回より中小企業診断士E先生の
“コンサルティングの現場”をシリーズで連載します!



コンサルティングの現場から 第1回 
倒産の裏側と民事再生法の現実(1)


主力販売先の倒産と手形買戻し(1)

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ある日の午後、事務所の電話が鳴った。

電話口に出てみると、顧問先N社の社長である。

すぐ会社に来てほしいとのこと、かなり元気がなく
平常心も失っている様子だ。

N社まで出向くのは大変な距離ではない。

しかし社長の様子がおかしい。

こんなとき、相手のペースにあわせて行動を起こしても
まず解決には至らない。

私は、「何があったのか話せますか?」
と氷を溶かすように社長から話を引き出し始めた。

ひとしきりの電話のやり取りの後
この日、N社の主力販売先(売上高の8割を占める)
C社が民事再生法の申請を行ったことがわかった。

「N社が危ない!」

その時の私の素直な感想である。

いくら再建型の民事再生法とはいえ
倒産した会社に今までどおりの商品の
納入(販売)がかなうはずはなく
N社の売上が来月から激減するであろうことは
火を見るより明らかである。

さらに悪いことに、N社はC社への販売代金を
8割以上受取手形で回収しており
その手形の多くを割引や裏書に付していた。

手形の割引や裏書には求償権が発生する。

つまり、C社が民事再生法の申請を行った
ということ(事実上の倒産)は、N社の社長が
割引や裏書に付したC社の手形を
その譲渡先からすべて買い戻さなければ
ならないということである。

買戻金額、約2,400万円。

もちろんそんな金はN社にない。

他にN社はC社に対し売掛金1,100万円を有しており
あわせて年間売上高の約4割弱の売上債権が
回収不能の危機に瀕した。

一体どうする?

つづく



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